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日本建設業連合会 北岡隆司関西支部長  【2023年07月10日掲載】

関係団体と緊密な連携の下

業界イメージアップ活動重視


 建設産業は「経済の支え手」であり、「地域の守り手」であることから、これらの使命を継続的に果たしていくため、「より魅力的な業界に変貌して人材を集め、実行力のある組織を形成し、社会貢献産業にしていく必要があり、関西支部としては、関係団体と緊密な連携の下に、関西の実情に沿った活動を展開したい」と就任にあたっての抱負を語る。6月の支部定時総会で支部長に就任。

 支部活動では、価格変動リスクや働き方改革に伴う適正工期の設定等に対応する新たな契約関係の構築、国土強靭化をはじめとした積極的な公共投資の推進―等を重点方針とした日建連本部の事業計画を基本に、「各委員会活動を中心に活動を展開する」とした。この中では、発注機関との意見交換会においても取り上げられている建設産業の労働環境改善とイメージアップへの広報活動を重視する。

 イメージアップについては、「発注者への広報はあったが、一般への広報活動は限定的で、このため建設業へのイメージは旧態依然のままでは」と指摘する。現在、会員各社の現場では、モデルルーム並みの事務所もあり、WEBカメラによる工程や安全の管理体制も構築されており、「ICT施工やDX等の最先端技術の導入や労働環境の変化等の現状とともに、建設業のやりがいや魅力を若い世代に伝える広報活動に取り組んでいきたい」と意欲を見せる。

 このため、毎年発刊している支部広報誌「しびる」が今年40号となることから、記念号としてページ数を増やし、建設DXを中心としたテーマで作成し、一般に向け変貌する建設業、親しみやすい建設業を紹介するとした。

 喫緊の課題である働き方改革や担い手確保への取組みでは、ICT技術による作業の効率化とそれによるイメージの改善、若手技術者等の活力向上に努める必要があるとする。特にBIM/CIMの活用は、品質向上や施工の効率化に加え、「ICT技術に興味のある若い世代を建設業に呼び込むための効果もあるのでは」と期待を示し、休暇や労働時間短縮でも、日建連本部はもとより、国土交通省と厚生労働省と連動し、民間事業者への働きかけを進めていくとした。

 担い手確保では、CCUSの普及促進に力を入れる。現在は、タッチ数を増やして資格情報や就労履歴の収集する段階であるとし、国や自治体、建退共等の動きと連携し、「技能レベルに応じた手当の支給や週休2日等の処遇改善に結びつけられるよう取り組んでいく」とした。

 一方、大阪・関西万博関連の工事、なにわ筋や淀川左岸線等の交通インフラン等の整備では、建設業にも大きな役割が求められている。万博に関しては、先に実施した現場視察を踏まえ、「基盤整備における土木工事は終盤を迎え、現在は建築工事が最盛期に向かいつつある」としながら、「海外パビリオンに関する発注契約等で課題があるようだ」と指摘。開催までの限られた時間の中で、「各会員社も関係機関と連携し、可能な範囲で検討が必要になってくる」との考えを示す。

 また、交通アクセスでは、リニア中央新幹線やなにわ筋線、淀川左岸線や大阪湾岸道路西伸部の整備により、首都圏と中部圏、関西圏を一体的・補完的な活用が可能となり、関西がアジアのゲートウェイとして機能し、国際競争の前線に立つ重要都市圏に成り得る―との見方を示しながら、「経済活動の支え手として、これらプロジェクト前進のために協力していきたい」とした。

 このほか、災害発生時には全国的な日建連のネットワークを活用した復旧復興活動、近畿地方整備局等との災害協定に基づく防災訓練へ参加するとともに、災害への備えには安定的継続的な予算確保が必要なため、改正国土強靭化法に期待を寄せながら、経済活動の支え手、地域の守り手として活動するには、健全な財務体質が必要となることから、「民間工事も含めて適正な工事期間や歩掛かり、資材価格と労務費を盛り込んだ契約締結が不可欠」であることを強調、国の動向を注視しながら支部としても適切に行動していくとした。

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 入社以来、現場を中心に勤務、特にシールド工事に多く関わってきた。思い出に残る工事では、地下鉄工事を手掛けた時、「完成後も見ることができたことに喜びを感じた」とする。
 趣味はウォーキングで、自宅周辺の山や海へ行き、「歩いていないと分からない新しい発見がある」。仕事においては表面だけを見ず、「その本質を見極めること」を心掛ける。

 

 北岡隆司(きたおか・りゅうじ)86年3月京都大学工学部交通土木工学科卒、同年4月大林組入社、02年4月本店高速電気軌道第8号線工事工事長、07年7月同伏見工区トンネル工事(その3)総括グループ長、08年9月同土木営業第一部営業副部長、 11年7月大阪本店東大阪下水シールド工事所長、13年4月同土木事業部企画部長、14年1月大和川線シールドトンネル工事所長、15年9月本社土木本部プロジェクト部長、18年3月同土木本部統括部長、20年4月同本部担任副本部長、21年4月執行役員大阪本店土木事業部長、 夢洲開発推進本部副本部長兼務。伊丹市出身。60歳。

 


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