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UR都市機構西日本 渡部久仁雄副支社長   【平成23年8月25日掲載】

団地イメージ一新したい


公共・民間のコーディネート役に


独立行政法人都市機構関西支社の渡部久仁雄副支社長はこのほど、副支社長就任にあたっての会見を行い抱負などを述べた。会見で渡部副支社長は、梅田北ヤードなどの大きな開発プロジェクトやストック改修実証実験ルネッサンスTへも係わった経験から「公共団体と民間企業間のコーディネートや団地の活性化にお役に立ちたい」と語った。

■就任にあたっての抱負を。

渡部副支社長

生まれ育ったふるさと大阪の活性化に少しでもお役に立てるよう、都市再生事業や、団地に住まわれている方がずっと住み続けたくなるような、もしくは、若い人たちがUR賃貸住宅に入ってみたいと思っていただけるような団地再生事業に取り組んでいけたらと考えております。

■都市再生や団地再生、技術監理等の業務がありますが、特に注目されている業務は。

渡部副支社長

本社都市住宅技術研究所長の時代に「ルネッサンス計画1」という住棟単位でのストック改修実証試験を手がけました。この改修技術を西日本支社の団地再生事業の中で活かしたいと考えています。

■具体的には。

渡部副支社長

実証試験では、色々なことを試していますが、どういう改修が、ニーズにあっているのかをふまえて、費用対効果の高い要素技術を選定し、かつ団地の特性に合わせて住棟単位での改修を実現できればと思っています。例えば、これまでリニューアルというのは、住棟単位ではなく、住戸内部が中心でしたが、「ルネッサンス計画1」では、外観をも改修することで遠くからみたら新築とあまり変わらないようになっています。団地のイメージを一新することで若い人たちが住んでみたいと思っていただけるようにしたいですし、また、一階を高齢者支援施設としてコンバージョンすることも可能ですので、高齢者の方にも住みやすい住戸として、提供できればと考えています。

■おっしゃるとおりです。ところで近畿の役割については、どうみておられますか。

渡部副支社長

地域づくりとして、東京一極集中の中で、東日本大震災でも一極集中がよいのだろうかと思いましたね。関係者の間でも、大きな災害が起こればどうなるのかと議論されています。日本が元気を取り戻すためには、東京だけでなく、近畿圏、名古屋圏、その他の地方圏を含めて活力を取り戻していくのが大事だと思っています。防災のセキュリティの意味で東京一極集中を是正し、かつ日本全体が活力を取り戻していくためには、近畿圏が活性化していくことが重要です。近畿圏の国際競争力をさらに向上させていく必要があります。実際、私も岡山県に勤務した際に港湾関係の業務で上海や釜山の港湾を視察しましたが、非常に大規模な港湾施設が整備されてきています。近畿圏でも阪神港が国際コンテナ戦略港湾に選定されていますが、これを早期に整備していかなければいけません。そして少子高齢化社会になっても、高速道路網の整備は国際競争力維持のために、どうしても必要だと思います。特に大都市の自動車専用道路として、京奈和自動車道、阪神高速道路の淀川左岸線や大和川線、湾岸線の西進部、あるいは名神高速道路から湾岸線までの路線など、関西国際空港や阪神港と一体的に機能していく自動車専用道路網を整備することが国際競争力を維持強化していく上で大事だと思います。

■都市再生事業での役割は。

渡部副支社長

今も公共団体等から様々な事業の相談を受けています。URとして公共団体と民間事業者のコーディネート役として新しい事業に取り組めればと思っています。

■密集市街地の再編については

渡部副支社長

防災面などで危惧をもっている公共団体等と連携し、災害に強いまちづくりをお手伝いできるのではないかと考えております。例えば、従前居住者用賃貸住宅の建設、道路整備の直接施行や受託も可能ですので、そういうかたちで、お役に立てるのではないかと思います。

■最後に、今まで携わってきたまちづくりについての思いなどを。

渡部副支社長

私自身としては、うめきた「北ヤード」や淀屋橋odona「淀屋橋地区再開発」、ほたるまち「阪大病院跡地再開発」など、大阪だけでなく、全国にも誇れるプロジェクトに携われたことは誇りに思っております。特に、うめきた「北ヤード」は、ナレッジというコンセプトは斬新ですし、老若男女問わず、関西だけでなく、周辺地域の人も訪れたくなる集客力のある施設になると思っております。また、「水と緑の広場」という一fのスペースがあり、そこが壮大な駅舎の景観とあわせて、日本にないイメージの広場になると思っていますし、期待しています。

趣味の街歩きは、東京での単身赴任中に運動を兼ねて、下町や大名屋敷跡の庭園を散策し始めたのがきっかけで「今では東京在住の方よりも詳しいほどです」。4年ぶりの西日本支社だが、関西については学生時代の知識しかなく、現在では「時間を作って関西の街歩きをしたい」ことが楽しみだとか。「1日10万歩を目標に歩いています」。
モットーは「あきらめない」。この言葉は仕事上いつも思っていることだとする。事業の中では様々な課題にぶつかり、うまく進まないことがあるが、簡単にあきらめず粘り強く交渉し、取り組むことでとにかく活路を見いだしていくとする。「いい街づくりをするためにこだわって、あきらめないで取り組むことをモットーにしてきましたし、これからもそうしていきたいと思います」。

渡部久仁雄(わたべ・くにお)
昭和51年3月大阪大学工学部建築工学科卒業。同52年4月日本住宅公団、同56年10月住宅・都市整備公団、平成9年6月関西支社堺市駅前開発事務所長、同11年5月関西支社住宅市街地部付、同年10月都市基盤整備公団関西支社住居環境整備部付、同13年6月土地有効利用事業本部事業第三部特定地区整備課長、同15年7月本社管理事業部住宅保全課長、同16年7月独立行政法人都市再生機構本社住宅経営部住宅保全課長、同17年7月西日本支社業務第一ユニット統括リーダー、同18年6月西日本業務ユニット統括リーダー、同19年6月本社都市住宅技術研究所所長を経て同22年7月本社本社監査室長に。57歳。


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