| 日刊建設新聞社 CO−PRESS.COM |
| 担い手確保へ業法改正に期待 バイオマスチップ化を推進 |
![]() |
|
就任にあたっては、建設業の将来を考えた場合の一番の課題として担い手の確保を挙げ、「その課題解決に向け何ができるかを優先課題と考えています。勿論、一つの支部や団体で解決できるものではありませんが、昨年の建設業法ほか改正により業界全体の課題としての認識が高まっていることから、支部としてできることは積極的にやっていこうと思っています」と抱負を語る。 |
担い手確保については、工事量の動きと入職者数のバランスが問題で、「特に技能工の自然減は防ぎようがなく、現在主力となっている世代が抜けた10年後はどうなっているかが見通せない」と先行きに懸念を示す。このため在職する技能者の定着に腐心しているとし、特に新規入職者に対しては、「土日・祝日はもとより夏季と年末・年始の休暇など、処遇改善への取組みが不可欠と」なっている。 |
また専門工事業では、材料費や経費を含めて適正価格で受注できてこそ必要な労務費を払うことが可能となるが、かつては労務費を下げないために経費等が取れないようなケースもあった。しかしながら、「そういったやり方は長続きせず、適正価格での受注が経営の基本」であると強調する。 |
こういった状況の中で、国が標準労務費を打ち出すことについては、「将来の建設業に対する危機感の表れ」とし、適正な労務費の確保に法的な裏付けができることに期待を寄せる。これまで国の施策がなかなか浸透しなかった要因の一つが、「直轄事業を中心とした公共工事が対象だったこと」とし、今回の新・担い手三法では、官民を問わない法改正となっており、支部会員の多くが民間の建築工事への依存度が高いことから、一層の期待感が高まっている。 |
その一方で、標準労務費が動き出した場合について、「我々、1次業者が2次以下に適正に流せるかも含めてその実効性をどう担保するかが課題だ」と指摘。また、何を持って適正とするかの議論はあるとしながら、建設業が、他産業と比べてどれだけ魅力があるかが大事で、「野丁場で体力的にもきつい仕事であることから、それに見合っただけの賃金でなければ続かない」と述べ、休暇や福利厚生等も含めて判断する必要があるとの見方を示した。 |
その技能労働者の処遇改善策の一つである、建設キャリアアップシステムについては、ワンストップサービスが始まり、各現場ではカードリーダーも設置され、1次業者はもとより2次以下の業者の事業者登録はかなり進んでいるとした。ただ、全国大手や中堅企業に比べ、「地元中小企業の現場では道半ば」と規模による格差があるのが現状だとする。 |
専門工事業の現況については、「基本は地元密着」とし、近畿ではIRやなにわ筋線、大型再開発事業等の大きなプロジェクトがあり、それらの本体工事以外の関連工事にも期待を寄せる。 |
支部活動では、今年度は「使用済み型枠木質バイオマスチップ化の推進」を挙げる。これまで費用をかけて処分としていたものを有価での取引とするもので、日本型枠東海支部が先駆けて実施しており、近畿支部においても試験運用を経て令和六年八月から本格運用を開始した。「すぐに成果が挙がるものではないが、環境に優しくコスト的にも有用で、我々にとってはメリットがある」と意欲を示す。 |
このほか登録基幹技能者を増やしていくことや特定技能拡大も必要となってくる。特定技能について現状では、2次以下の業者は既に雇用しており、「今後は1次業者もこれまで以上に確保する必要が出てくるだろう」との見通しを示す。また、支部長自身、近畿建設躯体工業協同組合の副理事長でもあり、両団体共通の会員も多いことから今後は、躯体組合の型枠部会との連携強化を図る考えとした。 |
日本型枠工事業協会近畿支部は、昭和50年11月に設立された日本建設大工工事業協会の近畿支部として同54年3月に設立された。令和6年3月に建団連会館に移転した。支部会員数は46社。 |
渡辺睦翁(わたなべ・むつお)追手門学院大学経済学部卒後、日本建設での勤務を経て、平成元年4月に翁有建設に入社、代表取締役専務を経て、同11年4月から代表取締役に。現在、日本型枠常任理事、日本建設躯体工事業団体連合会副会長、建災防大阪府支部常任理事、近畿建設躯体工業協同組合副理事長、大阪府建団連副会長等を務める。 |
Copyright (C) NIKKAN KENSETSU SHINBUNSHA. All Rights Reserved.
当サイトを利用した結果に関するトラブルなどに関しては、当社としては一切責任をとりかねます。