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UR西日本 うめきた都市再生事務所 遠藤 享所長  【2025年05月26日掲載】

先行まちびらき、活況呈する「グラングリーン大阪」

グランフロント大阪と相乗効果

全体まちびらきへ事業推進


 昨年9月に先行まちびらきを果たしたグラングリーン大阪。開業以来、芝生広場はじめ家族連れを中心に多くの人々が訪れ賑わいを見せている。グラングリーン大阪の整備事業では、基盤となる都市公園事業と土地区画整理事業を都市再生機構が施行しているが、UR自らの事業と行政や民間事業者との工事が輻輳する中では、それらの調整役としての役割も担っている。それら事業の最前線に立つUR都市機構西日本うめきた都市再生事務所の遠藤享所長は、「全体の事業をスムーズに進めることがURの責務」と語る。その遠藤所長に全体まちびらき向けた見通しなどを聞いた。

■昨年9月の先行まちびらきに続き、3月には南街区の商業棟が開業しましたが、これまでの状況はいかがですか。

 家族連れをはじめ多くの方々が訪れて賑わっています。先行まちびらき以来、民間事業者の方によりますとグラングリーン大阪にはこの半年間で1千万人以上が訪れている状況です。これに伴い隣接するグランフロント大阪でも来館者数で10%以上の増加となっており、相乗効果が表れています。特に平日でも芝生広場には、多くの親子連れが訪れて賑わっています。また、新梅田シティに関しても、人の流れを見る限りは増えているようには感じています。これまでうめきた2期区域とは鉄道により分断されていましたが、JRの地下化により一体感が出てきたという効果はあります。
 URとしては、先行まちびらきという節目は終えましたが、今後は周辺道路を含めた基盤整備に取り組んでいかなければと思っています。現状については、都市公園部分約4・5ヘクタールのうち、先行まちびらきで南側の全面と北側の一部を合わせて約3・5ヘクタールが開業し、残りの1ヘクタールについては全体のまちびらきに向けて整備を続けています。
 ノースパークは、芝生広場等を交流や賑いを中心としたサウスパークに比べ、小さな憩いの場を数カ所設けるなど、散策を中心とした公園となります。開業した公園部分については大阪市へ引き渡しており、公園と周辺歩道等の管理運営については事業者で運営する「うめきたMMO」が実施しています。このほか、民間事業については昨年度末に商業・業務施設の北棟・南棟ともに開業しています。分譲マンションについては北街区のノースレジデンスが来春に竣工を予定しており、南街区のサウスレジデンスは令和10年3月に竣工の予定です。

■全体まちびらきに向けた残りの工事は。

 URが担当している土地区画整理事業では、公園部分の東西を走る駅北1号線、グラングリーン大阪とグランフロント大阪の間の駅北2号線については整備が完了して供用を開始しており、地区西側で南北を通る駅北3号線につきましては、今後整備を本格的に進めていきます。
 国道176号から南側については民間とJR西日本と共同で事業を進めており、ようやく形が見えてきた感じです。今後は国道176号から北側については、隣接する地権者の方々にご理解を得ながら進めていきます。公園部分では昨年末で8割は完了しておりますが、土地区画整理事業では国道176号に接続する橋梁を整備するなど、大きな工事が残っており、金額ベースでは6割程度になります。

■2期事業に関してURでは、行政と民間事業者の調整役としての役割を担っておりますが、苦労した点など。

 UR自体も防災公園と土地区画整理事業の施行者としての役目もある中で、併行して大阪市の連立事業や民間事業者の施設開発など、多くの関係者と一緒になって進めていかなければならないことから、それら関係者の調整役といった二つの役割を担いながら事業全体を進めてきました。この中では全体の事業をスムーズに進めることがURの責務であると考えています。当地区では、JR新駅開業や先行まちびらきのスケジュールが公表されていたことから、それを守りつつ、各事業を同時並行的に進めていく必要がありました。
 このため現場では、工事も含めて物事が錯綜する中で取組みを進めなければならず、また、駅周辺という非常に交通量が多い中で、交通を妨げずに現場を進めることが求められていたことから、一瞬たりとも気を緩めることができない状況にありました。

■なるほど。

 特に新梅田シティへのアクセスとなる歩道は、工事の進捗に合わせてその都度歩道を切り替えたほか、地区南側にある九条梅田線ではルートを切り替えながら段階的に進めるなど、苦労した部分もありましたが、現場従事者はもとよりURの職員の努力もあり、先行まちびらきを迎えることができたと思っています。
 また、土地を取得して民間事業を誘導し、地元行政のまちづくり施策を具体化することもURの役割の一つであると思っており、民間事業者の提案を具体化しながらも公的ルールを遵守しなければならず、その辺りの調整を丁寧に、両者の合意形成を図りながら進めてきたことが難しく、かつ大変だったところです。今後に関しては、エリアマネジメントはうめきたMMOが主体となって実施していきますが、全体のまちびらきまで大阪市と民間事業者と事業を進めていきます。

■うめきた2期で培われたまちづくりのノウハウは今後、他の事業でも活きていく。

 ええ、うめきた2期においても他の事業で培ってきた経験を活かしながら取り組んでいることから、うめきた2期の経験は他の事業でも活かしていくことになります。今年九月には先行まちびらきから一周年をむかえますが、うめきた以外では三宮再整備などURではまちづくりに関わっていることももっと知っていただければと思います。
 ただ、うめきた2期の場合、これまでの事業に比べても特に難しく関係者も多かったことから、いろんな学びがありました。ですからここで得た経験をさらに活かしていきたいと思っています。
 また、うめきた2期は事業そのものの注目度が高い上、施工場所が都心で工事も言わば衆人環視の下で行われるなど、非常に気を使いながらの取組みでしたが、無事に先行まちびらきを迎えることができ、地元経済界からも高い評価を得ることができ、その期待に応え、地元との約束を守りながら引き続き慎重に事業を進めていきます。

■建設業界に対して要望等がありましたら。

 うめきた2期に関しては、民間事業者の力も借りながら新しい取組みも進めてきましたが、それらの取組みに対しては常に新たな技術や工夫を日々、検討されている建設業界の方々の力添えがなければ今日の姿はなかったのでは思います。うめきた2期は先行まちびらきをしたばかりであり、今後も事業者と協力して新たな取組みを進めていきたいと考えており、そのためにも建設業界とは密接に関わり、対話を重ねながら素晴らしいまちづくりを進めていければと思いますが、まずは事業の完遂を第一に、安全と品質を確保するため建設業界の支援をお願いしたいと思っています。

■ありがとうございました。

 
 


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