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三井住友建設大阪支店 長谷川弘明執行役員支店長  【2025年06月09日掲載】

品質にこだわりより良いものを提供

一歩先を見据え、スピード感持って


 「現在、建設業界を取り巻く環境は日々刻刻と動いている状況であり、それらの動きについていけるようスピード感を持って支店を引っ張っていきたい」と就任にあたっての抱負を語る。特に、時間外労働上限規制に伴う働き方改革、慢性的な人手不足に対応するため、ICT施工による生産性向上、さらに地球温暖化対策としてのサステイナブルの推進など、目まぐるしく変化する中では、「まずは一歩先を見据えてやっていきたい」。

 大阪支店での勤務は10年ぶりで「人脈もあることから大きなギャップは感じていない」。支店運営にあたっては、「人手不足だからと言って諦めるのではなく、お客様に寄り添いながら最善の方策を探っていきたい」と語る。

 また、前職の九州支店長時代に、人脈も含めた人とのつながりの重要さを学ぶことができ、その経験を大阪でも活かしていければとし、「支店長は営業マンだと思っている」と自身の役割を語りながら、九州支店で成果のあった取組み等も積極的に取り入れることなど、「支店の良いところは伸ばし、改善すべきは改善していきたい」と意欲を示す。

 事業の見通しに関しては、建築は、IRなど万博工事から引き続き活況を呈しており、引き合いも多いことから、「乗り遅れることのないように」としながら、ホテル等の宿泊施設やデータセンター等の需要拡大に応じて取り組んでいくとする一方で、協力会社や設備関係の人手不足で施工体制が組めない等の課題があるとし、このため一定程度の選別受注は必要としながら、「古くからのお客様を優先していく」とした。

 土木に関しては、得意分野であるPC橋梁や高規格道路の新規路線が減少していることから、「今後は、大規模更新や大規模修繕等へ軸足を移すこと」も視野に入れる。ただ、地方部では橋梁や新設道路の計画があることから、そちらの取組みには引き続き注力するとした。このほか総合評価方式に関し、かつては自らも技術提案に携わっていたことから「一緒になって取り組めれば」とする。

 関西の状況については、万博工事に続く大型工事としてIRが挙げられるが、特に関連施設等の周辺事業への期待はある―との見方を示し、「ある程度の需要が出てくることが予想されることから、そのための備えをしていく必要はある」とした。

 このほか、リニューアル事業では、建替えや修繕、補強など「コスト面も含めてお客様のニーズにそって提案していく」と柔軟に対応していくとした。これら事業推進にあたっては本店土木技術部長時代に、安全はもとより品質確保に努めてきたことから、「品質にはこだわり、より良いものを顧客に提供するよう努力していきたい」。

 一方、働き方改革や生産への取組みでは、特にBIM/CIMに関しては全社的に早くから取り組んでいるとした。近年の建築は構造や形状が複雑な建物が多いことからBIMの活用には力を入れるとともに、協力会社に対してもBIMの導入を検討。大阪・関西万博で、同社が手掛けた住友館はBIMで仕上げたものとする。

 また、働き方改革への取組みの上でも、フロントローディングは不可欠なため、BIM/CIMを推し進めることで「少しでも現場の負担を減らしていきたい」との考えを示した。社員に対しては、忙しい状況は続いていくが、職場環境を整え、自身のモットーでもある「明るく、元気に、楽しく」を実現するため、社員とコミュニケーションを取り合い、風通しの良い職場を目指すことを呼びかけている。

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 久しぶりの大阪勤務では、「うめきた2期や御堂筋などのまち並みの変貌には目を見張るものがある」とする。印象に残る仕事は、「一番長かった現場」である阪神高速道路淀川左岸線一期の開削トンネル工事を挙げる。また、阪神淡路大震災も大阪支店で経験。会社に泊まりこみで名神高速道路の復旧工事に携わったことも記憶に残る。趣味は海釣りにゴルフ、国内旅行。60歳。神戸市出身。

 

 長谷川弘明(はせがわ・ひろあき) 昭和63年3月徳島大学工学部土木工学科卒業、同年4月住友建設(現三井住友建設)入社、平成25年4月大阪支店土木技術グループ長、同28年4月土木本部土木技術部基礎地盤・環境技術グループ長、同31年4月土木本部土木技術部長、 令和5年九州支店長を経て、令和7年4月から執行役員大阪支店長。

 


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